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Chillery, T.*; Hwang, J.*; 堂園 昌伯*; 今井 伸明*; 道正 新一郎*; 炭竃 聡之*; 千賀 信幸*; 大田 晋輔*; 中山 梓介; 他49名*
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2023(12), p.121D01_1 - 121D01_11, 2023/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)重陽子は弱束縛系でありクーロン力と核力の下で容易に陽子と中性子に分解する。これまでの実験からは、核子当たり50から200MeVといった高入射エネルギーではこの分解過程が残留核生成に大きな影響を与えることが示されている。しかし、核子当たり50MeV以下のエネルギーでの断面積データはまだ不足している。本研究では、BigRIPSセパレータ、OEDOビームライン、SHARAQスぺクトロメータを用いて、Zr+d反応断面積を核子当たり約28MeVにおいて逆運動学法を用いて測定した。本研究で得られた断面積を過去の測定結果や理論計算と比較した。重陽子の分解の効果を定量的に考慮したDEURACS計算により実験データがよく再現された。本研究で測定された低エネルギー領域におけるデータは、将来の核廃棄物処理施設の検討に役立つと考えられる。
林 博和; 津幡 靖宏; 佐藤 匠
日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 22(3), p.97 - 107, 2023/08
加速器駆動システムによるマイナーアクチノイド(MA)核変換技術開発において、高濃度MA含有窒化物燃料及びその再処理に関する研究開発が行われている。本研究では、燃料に含まれる超ウラン元素(TRU)の崩壊熱が乾式再処理プロセスに与える影響を評価するため、各物質の発熱量及びアルゴンガス雰囲気での各物質の温度上昇値を推定し、これらの計算結果及び各物質の制限温度の設定値を用いて、乾式再処理プロセスにおける各物質の取扱制限量を検討した。さらに、この検討結果を基に、直径26cm塩浴深さ13cmの溶融塩電解槽25基によって、ADS1基分の使用済MA燃料を200日間で処理することを提案した。また、TRUを回収したCd陰極から窒化物を製造する蒸留窒化工程については、直径4cm高さ4cmのCd陰極を4分割したCd-TRU合金を原料とすることを提案した。これらの物質量及び装置規模と台数に関する検討結果から、MA核変換用窒化物燃料の乾式再処理工学規模装置の実現性は高いことが示唆された。
斎藤 滋; 山口 和司*; 吉元 秀光*; 大林 寛生; 佐々 敏信
JAEA-Technology 2022-032, 51 Pages, 2023/03
長寿命放射性廃棄物の核変換を実現するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)が研究を進めている加速器駆動システム(ADS; Accelerator Driven System)では、核破砕ターゲット及び未臨界炉心冷却材として鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic alloy)を採用している。将来のADSの開発に向けて材料照射データベースを構築するため、J-PARCでは陽子照射施設の検討を進めている。陽子照射施設にはLBEループが設置され、核破砕環境かつ流動LBE中での材料照射試験が可能である。陽子照射施設において、LBEを安全に利用するためにいくつか解決すべき課題の一つとして、運転停止後にループ内のLBEをドレンタンクに導くためのドレンバルブがスラグ等を噛み込むことによって発生するスローリークがある。この問題を解決するため、JAEAでは液体金属系統の一部を融点以下に冷却することで配管中のLBEを固化して閉止する、フリーズシールバルブ(FSV)採用を検討した。まず、水冷式及び空冷式のFSV試験体を製作し、既設の鉛ビスマス要素技術開発装置の試験部に取り付け、動作・性能確認試験を行った。試験の結果、水冷式FSVは設計通りの性能を発揮することが確認された。本報告書では鉛ビスマス要素技術開発装置ならびに各FSV試験体の概要と各部の詳細、動作・性能確認試験結果について述べる。
前川 藤夫
量子ビーム科学の基礎と応用; NSAコメンタリーシリーズ, No.27, p.15 - 25, 2023/03
量子ビームの産業応用の中でも特に我々人類にとって有益と考えられる核変換技術について解説する。
林 博和; 柴田 裕樹; 佐藤 匠; 音部 治幹
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 332(2), p.503 - 510, 2023/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)Ar気流中における1323Kでの窒化物とPdの反応によって、MPd (M=Gd, Np)が生成することを示した。生成物は、立方晶系のAuCu型GdPd ( = 0.4081 0.0001nm)及びNpPd ( = 0.4081 0.0001nm)であった。NpNとPdとの反応生成物中には、六方晶系のTiNi型NpPdも含まれていた。本研究で得られたMPd (M=Gd, Np)試料と塩化カドミウムの673Kでの真空雰囲気での固相反応では、塩化物が生成すること、及び、副生成物としてPdで飽和したCd相と金属間化合物PdCdが得られることを示した。
中山 梓介; 古立 直也; 岩本 修; 渡辺 幸信*
NEA/NSC/R(2020)4 (Internet), p.345 - 349, 2022/10
原子炉から発生する長寿命核分裂生成物(LLFP)は安定ないし短寿命な核種へと変換することが強く望まれている。こうした中、近年、高エネルギー粒子による破砕反応によってLLFPを核変換処理することが検討されており、いくつかの実験研究からは重陽子による破砕反応断面積が陽子によるものよりも大きいことが明らかにされている。これらの結果は重陽子ビームによるLLFPの核変換処理が陽子ビームによるものよりも有効である可能性を示唆している。他方、我々はこれまでに重陽子入射反応用の計算コードシステムDEURACSを開発してきた。DEURACSは元々、重陽子加速器中性子源の設計に資するために開発されてきたが、本研究ではDEURACSをLLFPに対する破砕反応断面積の計算に適用する。実験値との比較を通じ、LLFPの核変換応用へのDEURACSの適用性を議論する。
大釜 和也; 原 俊治*; 太田 宏一*; 永沼 正行; 大木 繁夫; 飯塚 政利*
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(6), p.735 - 747, 2022/06
被引用回数:1 パーセンタイル:31.61(Nuclear Science & Technology)A metal fuel fast reactor core for high efficiency minor actinide (MA) transmutation was designed by loading silicon carbide composite material (SiC/SiC) which can improve sodium cooled fast reactor (SFR) core safety characteristics such as sodium void reactivity worth and Doppler coefficient due to neutron moderation. Based on a 750 MWe metal fueled SFR core concept designed in a prior work, the reactor core loading fuel subassemblies with SiC/SiC wrapper tubes and moderator subassemblies was designed. To improve the reactor core safety characteristics efficiently, three layers of SiC/SiC moderator subassemblies were loaded in the core by replacing 108 out of 393 fuel subassemblies with the moderators. The reactor core with approximately 20 wt% MA-containing metal fuel satisfied all safety design criteria and achieved the MA transmutation amount as high as 420 kg/GWe-y which is twice as high as that of the axially heterogeneous core with inner blanket and upper sodium plenum, and two-thirds of that of the accelerator-driven system.
武井 早憲
Isotope News, (779), p.11 - 15, 2022/02
J-PARCで整備を目指している核変換物理実験施設(TEF-P)では、リニアックからの大強度負水素イオンビーム(エネルギー400MeV,出力250kW)から小出力の陽子ビーム(最大出力10W)を安定に取り出す必要がある。原子力機構では、レーザーを用いた荷電変換によるビーム取り出し法を提案し、開発を行っている。今回、3MeVの負水素イオンが加速できるJ-PARCのRFQテストスタンドのリニアックにおいて高出力レーザーを用いた荷電変換に基づくビーム取出し試験を実施した。本論文は試験結果の概要をまとめたものである。
深谷 裕司; 植田 祥平; 山本 智彦; 近澤 佳隆; Yan, X.
Nuclear Technology, 208(2), p.335 - 346, 2022/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)原子力廃棄物に関して総量管理の観点から有害度が制限された場合、許容できる原子力発電所の発電容量が制限されることになる。総量管理を達成する代替案として分離・変換による有害度低減を提案する。具体的には、Sr-Csを核変換することにより、逆に発電容量を増加することができる。同時に、加速器駆動核変換システム(ADS)による処分シナリオで300年必要とされる冷却期間を50年に低減することが可能である。最後に、このシナリオでは、Li(d,xn)反応中性子源を用いた重陽子加速器による核変換により、エネルギーバランス及びコストの面でも成立することが分かった。
村上 毅*; 林 博和
Journal of Nuclear Materials, 558, p.153330_1 - 153330_7, 2022/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)使用済TRU窒化物燃料の再処理方法として研究開発が行われている化学溶解法は、塩素化剤を用いて溶融塩へ使用済燃料の溶解を行い、還元抽出法などによって溶融塩からTRUを分離回収する方法である。使用済燃料溶解の工程(化学溶解工程)では、窒化物等との化学反応によって消費されるよりも多くの量の塩素化剤(CdCl及びZrCl)を使用する必要があることが知られており、これらの成分が還元抽出法によるTRU分離に影響を及ぼすことが懸念されている。本論文では、化学溶解工程後に溶融塩中に残存するZr及びCdを選択的に回収する電解回収プロセスを付加することによってこれらの成分の影響を低減すること、及び回収したZr及びCdを塩素化剤として再利用することを提案した。また、化学溶解工程の条件及び電解回収の進行に伴い変化する溶融塩中のCdClとZrClの濃度比が電解回収プロセスへ与える影響を確認するため、LiCl-KCl共晶溶融塩(723K)中のZrとCdの電解挙動を明らかにする試験を行った。ZrとCdを選択的に回収するため、液体Cdを陰極として用い、TRUの還元電位よりも高い電位(-1.05V (vs. Ag/AgCl))において定電位電解を行い、広い範囲のCdCl/ZrCl濃度比においてZr及びCdの回収が可能であり、その電流効率はほぼ100%であることを確認した。
尾形 孝成*; 高野 公秀
日本原子力学会誌ATOMO, 63(7), p.541 - 546, 2021/07
日本原子力学会核燃料部会の活動の一環として、軽水炉燃料及び各種の新型燃料について解説する連載講座を展開している。その第4回として、高速炉用金属燃料(電力中央研究所担当)及びADS用窒化物燃料(原子力科学研究所担当)について、燃料概念と照射挙動及び研究開発状況について解説したものである。
武井 早憲; 堤 和昌*; 明午 伸一郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(5), p.588 - 603, 2021/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)J-PARCで整備を目指している核変換物理実験施設(TEF-P)では、リニアックからの大強度負水素イオンビーム(エネルギー400MeV,出力250kW)から小出力の陽子ビーム(最大出力10W)を安定に取り出す必要がある。原子力機構では、レーザーを用いた荷電変換によるビーム取り出し法を提案し、開発を行っている。今回、3MeVの負水素イオンが加速できるJ-PARCのRFQテストスタンドのリニアックにおいて高輝度連続波レーザーを用いた荷電変換に基づくビーム取出し試験を実施した。その結果、取り出し効率がで出力0.57mWの長パルスビームを取り出すことに成功し、これらの実験値は理論的な予測値と良く一致した。
岩佐 龍磨; 高野 公秀
JAEA-Technology 2020-024, 29 Pages, 2021/03
高レベル放射性廃棄物の減容・有害度低減のために、発電炉使用済燃料中に含まれるマイナーアクチノイド(MA)を分離回収し、核変換用燃料に添加して燃焼させる核変換の研究開発が進められている。日本原子力研究開発機構原子力科学研究所では、加速器駆動システムによる核変換用の燃料として、MAを高濃度に含有させた窒化物燃料を研究している。窒化物燃料製造に天然の窒素を用いた場合、Nの(n,p)反応によって燃料中にCが蓄積するので、これを避けるためにNを高濃度に同位体濃縮した特殊な窒素ガスを用いる必要がある。この窒素ガスは高価なため、実燃料製造では電気炉でのMA酸化物から窒化物への転換時にNガス中に生成する一酸化炭素(CO)を除去し、再び電気炉へ供給する窒素循環精製システムの利用が経済性向上の観点から必須となる。本報告書では、まずCO除去ユニットと窒素循環・自動供給ユニットからなる窒素循環精製システムの性能要件を検討した上で、実験室規模の実証試験用試作機の設計を行った後にこれを製作し、全体の性能を評価した。その結果、各ユニットは性能要件を十分に満たしており、今回実証したシステム概念が水素自動添加等の機能を追加することで実燃料の製造に適用可能であることを確認した。
高野 公秀
JAEA-Review 2020-080, 24 Pages, 2021/03
加速器駆動システムによるマイナーアクチノイド核変換用燃料の化学形として窒化物が適するが、天然窒素中のNから(n,p)反応によりCが生成して燃料中に蓄積する。この問題を避けるため、天然窒素中に少量含まれるNを高濃度に同位体濃縮した特殊な窒素ガスを燃料製造に用いる必要があり、その入手実現性に目処をつけることが大きな課題の一つとなっていた。本報告書では、燃料製造に必要な濃縮度とガス量を試算した上で、既存のN同位体濃縮技術を調査した結果、現在は机上検討段階であるもののN低温蒸留法が大規模プラント化の観点からは安全で有望な方法であると判断した。同様の技術を用いたO濃縮プラントがすでに複数稼働しており、その技術と機器類を流用可能である。N低温蒸留法による同位体濃縮プラントから燃料製造用のNガス供給を受けることを想定し、濃縮度と年産量をパラメータとした濃縮シミュレーションを行い、プラント規模を評価するとともに構成設備・機器類の基本仕様を定めた。その結果、濃縮度99%で年産量1000kgの濃縮プラントが技術的に十分可能な見通しを得た。また、このプラントの建設費と運転費用から製品単価を評価し、現状の流通価格の1/30程度に低く抑えられることを示した。この調査により、燃料製造に必要なNガスを技術的にも経済的にも入手可能な見通しを得られたことの意義は大きい。
中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*
EPJ Web of Conferences, 239, p.03014_1 - 03014_4, 2020/09
被引用回数:2 パーセンタイル:86.93(Nuclear Science & Technology)重陽子加速器を用いた大強度中性子源が、核融合炉材料の照射試験や医療用放射性同位体の製造といった様々な応用に対して提案されている。さらに近年では、重陽子核破砕反応を用いた核変換システムが長寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換に対して提案されてもいる。これらの施設の設計研究には高精度かつ広範な重陽子核データが不可欠である。こうした状況の下、我々は重陽子入射反応用計算コードDEURACSを開発しているところである。本研究では、中性子や質量数4までの軽荷電粒子の放出の二重微分断面積や、核種生成断面積等、入射エネルギー200MeVまでの種々の物理量をDEURACSを用いて解析する。実験値との比較により、DEURACS内の理論モデルの妥当性を検証する。
中村 聡志; 木村 崇弘; 伴 康俊; 津幡 靖宏; 松村 達郎
JAEA-Technology 2020-009, 22 Pages, 2020/08
分離変換技術開発ディビジョンでは、マイナーアクチノイド(MA)核データの検証に資する核分裂反応率について、核分裂計数管を用いた測定を検討している。そのため、核分裂計数管用のMA線源の作製, 定量及び不確かさの評価を行った。電着法を採用して、Np, Am, Am及びCmの4核種について電着量が異なるMA線源を7種類作製した。さらに、同位体希釈法を用いて放射能を定量したCm線源元液からCm作業標準線源を作製し、これを用いて算出した計数効率を適用して各MA線源の放射能を定量した。その結果、作製したMA線源の放射能として、Np線源は1461Bq, 2179Bq及び2938Bq、Am線源は1.428MBq、Am線源は370.5kBq及び89.57kBq並びにCm線源は2.327MBqを得ると共に、不確かさを0.35%(1)と評価した。本報告書では、MA線源の作製及び定量方法並びに不確かさ評価の過程についてまとめる。
武井 早憲; 平野 耕一郎; 明午 伸一郎; 堤 和昌*
Proceedings of 8th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2019) (Internet), p.595 - 599, 2020/06
J-PARCで整備を目指している核変換物理実験施設(TEF-P)では、リニアックからの大強度負水素イオンビーム(エネルギー400MeV、出力250kW)から小出力の陽子ビーム(最大出力10W)を安定に取り出す必要がある。原子力機構では、レーザーを用いた荷電変換によるビーム取り出し法を提案し、開発を行っている。今回、3MeVの負水素イオンが加速できるJ-PARCのRFQテストスタンドのリニアックにおいて連続波のレーザーを用いた荷電変換に基づくビーム取出し試験を実施したところ、TEF-Pにおいて0.70W相当となる出力の長パルスビームを取り出すことに成功した。
Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.
Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07
被引用回数:8 パーセンタイル:56.2(Physics, Multidisciplinary)陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。
西原 健司
ImPACT藤田プログラム公開成果報告会「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」 成果報告書・資料集, p.28 - 31, 2019/03
本プロジェクトでは従来の高レベル放射性廃棄物に含まれていた長寿命の核分裂生成物(LLFP)を分離し短寿命化するとともに、資源化可能な元素を分離する。LLFPの短寿命化によって、地層処分に代わり、数十mの浅い地中に安全要求を満たして処分できる可能性があることが示された。また、資源化可能な元素を安心して再利用できるように、考え得る被ばく経路に対して評価を行い、安全な放射能濃度を推定した。
西原 健司
ImPACT藤田プログラム公開成果報告会「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」 成果報告書・資料集, p.130 - 133, 2019/03
高レベル放射性廃棄物には様々な特性の物質が含まれている。これらを特性ごとに分離し、適切に対処することで処分場の負荷を低減することができる。本プロジェクトではこれらのうち長寿命の核分裂生成物(LLFP)の短寿命化に取り組んだが、この技術が実現されると、高レベル放射性廃棄物は放射能が小さい新しい放射性廃棄物となる。新しい放射性廃棄物の処分方法を検討した結果、現在、低レベル放射性廃棄物に対して検討されている中深度処分が適している可能性があることが分かった。中深度処分は、従来の高レベル放射性廃棄物に適している地層処分に比べ、浅い場所に小規模に処分する方法である。これを新しい放射性廃棄物に適用した場合の安全性評価を実施し、今回、本プロジェクトが取り組んだ4つのLLFPについては、安全に処分できる可能性があることが分かった。